07年度の事件につきまして

 5月26日記にたいして、「なぜ、ファンが責任を感じる必要があるのか」というメールを幾度か頂きました。

  これに関して、わたしなりの思いがあります。ファンは勝ってほしいと願っています。当然のことです。それに対して、中尾監督は、「ラグビー部員である前に学生」と掲げて人間教育をされ、講義のある時間の練習をやめ、単位を取れない学生には練習を禁じ、時には選手起用にまで徹底されると聞きます。試合に勝つよりも、大事なことがあるというのが監督の思いでしょう。勝ってほしい願うファンとして、それに不満を感じることもありました。思うばかりか、文章にしてHPに書き込みました。大げさに言いますと、成績至上主義を助長してきたのはファンなのかもしれません。もちろん、それは極論であって、人間教育と技術指導は相反するものではありません。人間教育は前提であって、ことさらに議論されるものではないかもしれません。
 しかし、ファンとしての自分を省みて思うのです。ラグビー部は、学生のクラブ活動の場に過ぎない。なのに多大な期待をしていないだろうかと。プロ野球やJリーグのチームに対するのと同じような感覚で、同志社大学ラグビー部を見てこなかったかと。
 不快に感じられた方々には、お詫びします。わたしが、ファンを代表しているつもりなど、毛頭ありません。「ファン」と書きましたが、「わたし」に書き換えた方が良いかもしれません。

2007年6月9日記

 今回の事件が、報道どおりの事実だとして書きます。

 今は、「同志社大学ラグビー部」としても、部員達も、それを応援していたものも、心から反省することが最も大事だと思います。第一に考えなければいけないのは、部の今後のことではなく、被害者のことだと思います。被害者に一日も早く立ち直ってもらうために、何ができるのかを考えることだと思います。
 被害者からは近づくのも嫌がられるでしょう。結果として、直接的にできることは何もないのかもしれません。しかしそれでも、謝罪の気持ちが受け入れられるにはどうしたらよいか を考え抜くことが大事だと思います。できること、やるべきことは必ずあると思います。
 そして、それは自らのためであると思います。自らに区切りをつけないと、本当に一生、これを背負って、生きていかないといけなくなります。自分は関係なかったのに一部の者のせいで試合ができなかったと言い訳をする人生になってしまいます。そして、大学生活を思い出すとき、暗い思い出だけが残るでしょう。今行動しないと、後ろめたさは消えません。行動すべきだと思います。ただし、パフォーマンスとしての行動ではなく、心からの徹底した行動である必要があります。

 その一方で、いわゆる連帯責任を適用すべきかという問題があります。
 一部の部員の起こした事件であって、今回逮捕された3人以外は こうした行動について全く認知できていなかった可能性は大きいです。少なくとも私はそう信じています。そして、広義のクラブ活動、つまりクラブ単位で行動していた時、に起こった事件ではなく、「同志社大学ラグビー部」という看板を利用した事件で もないため、クラブ活動とは関係が無いとも言えます。
 しかし、私個人の考えですが、部員が「個人」として起こした事件とはいえ、複数人が共謀しており、「同志社大学ラグビー部」が無ければ起こらなかった事件であることは間違いありません。 そういう意味では、「同志社大学ラグビー部」が関係ないと言い切ることは許されないでしょう。例え世間に許されたとしても、自らを許してはいけないと思います。責任は、 他の部員も、そしてファンも感じるべきだと思います。
 どうして3人をラグビーに集中させられなかったのか。今回の事件は、事件性云々の前に、レギュラーを目指して鍛錬している人間の行動パターンとはとても考えられません。体を作るべき時期に12時以降に遊び歩く暇は本来ありません。 部員達の活動で、車を必要とするものはあまりないと思います。部員間での車の貸し借りは健全な行為といえるのか。そして、そういう人間が少なくとも3人 いたにも関わらす、他の部員が気づかずにケアできなかったことはやはり反省すべきです。

  私には、部も部員も、責める権利はありません。しかし、ファンとして、自責を込めて繰り返します。事件を乗り越えなければならないのは、「同志社大学ラグビー部」ではなく、被害者です。 もし、被害者がラグビー部と聞くだけで、つらい思いをされるなら、一切試合を行うべきではありません。この判断は被害者だけができます。 しかし、その声を聞くことはできないかもしれません。時を経るにつれ、これこそが本当につらいことになるでしょう。もし、許されないのなら、部の存続は無いでしょう。
 たった一人のために、関係のないたくさんの部員がそこまでしなくてはとか、伝統のあるクラブでファンが待っているからという考え方はいけないと思います。一人を大切にするのが、ラグビーというスポーツの本質です。試合で成績を残すのとは比べものにならない程、大切なことです。
  このような時にこそ、人間の本質が試されると思います。逃げだすことは簡単ですが、別の道に進んで成功したとしてもあまり意味はありません。今の問題に正面から向きあうことこそ与えられた試練です。これを真に理解して、行動できたときに、「同志社大学ラグビー部」が事件を乗り越えられるような気がします。

2007年5月26日記

 なお、このHPは、DRCの方も含めて、関係者も多数ご覧頂いているようです。なればこそ、今だからこそ、ファンの声を伝える場として、「らくがき帳」を活かせればと思っておりました。しかし、だれかを傷つけてしまうなら、続けることはできません。
 変わらず、「温かくも、厳しく」応援したいと思っております。  よろしくお願い申し上げます。

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