2009シーズンを振り返って

2009年1月7日(水)からスタートしたこの2009年シーズン。
他大学は当然のごとくスタートする中、3月までは全体練習はなく個人練習だけなのが同志社ラグビー。黄金期以来続けてきたスタイルでした。1・7スタートは東海大に完膚無きまでにやれたあとだけに、外部からは当然に見えますが、同志社ラグビーにとっては、画期的な出来事だったようです。
この当たり前でいて遠かった出来事は、中尾監督の勇気と努力の賜物で、中尾監督で無ければ成しえなかったと言われます。信じがたいことですが、DRCの定める監督・コーチの任期は1年で、次年度の任命は3月。このため、1〜2月は指導者不在で指導権限がないそうです。このDRCという組織は、過去には功績があったと思いますが、現在では学生が主体であるべき大学のクラブを大人の世界のエゴものにしてしまっていますね。改革しないといけないのはこの組織でしょう。
(詳しくは、頑張れOBさんの[7513]、勝利至上主義さんの[7518]をご参照ください。)

今の大学ラグビーではオフシーズンは休みではなく体作りの重要な時期です。ほとんどの大学で、専門のトレーナーがついて、科学的な練習をしています。現代の一流ラグビー選手の体格は身を見張るものがあります。同志社から見れば、さながら黒船到来です。このビルトアップされた体格は、例外なく専門コーチと栄養士によって作られたものです。選手の身体能力は、同志社が黄金期であった20年前の社会人とここ数年の大学優勝チームを比較しても雲泥の差があると言われます。ラグビーに限らず、トップアスリートの体を作るのに自主的なトレーニングでは限界があるのは、現代スポーツ科学では常識でしょう。

2009年は他大学並みの体制でスタートができたように見えました。それだけでも、2009年シーズンは同志社ラグビーにとって非常に意味のあるシーズンでした。専任コーチの向山コーチ、TL経験のある中村コーチ、プロのトレーナー。加えて、数年前から力を入れてきたインフラ整備、食事付きの寮の完成、人口芝グランドの完成など。
しかし、一見形は整ったものの中身の部分では有力な他大学とは比べられないような状況だそうです。スタッフや協力者の数が少なすぎます。監督、コーチなどわずか数名で、運営は進められています。グランドでの指導、リクルート、遠征などを切り盛りしなければなりません。高校生の調査やリクルートに忙しい春、専任2名ではグランドには指導者がいなくなります。
次いで不足しているのが、予算です。少ない予算でのやりくりが強いられています。不足分の金策の大半は「1年任期で任命された」現場にゆだねられているようです。これでは、自転車操業。現場指導よりも、運営そのものに、頭と時間を使わねばならない状況でしょう。専任コーチを雇っても、コーチの給与のために走り回らねばならない状況です。また、リクルートをするためにも、多くの交通費がかかりますが、その費用は自己負担と聞きます。兼業コーチに至っては、交通費も自己負担の手弁当です。昨年度の綾城コーチもしかりです。学生側の負担も相当です。学生の両親には、学費、遠征費、寮費など他の有力校では考えられないくらいの高額の負担がかかっているようです。


2009年は改革の成果は、成績という形では残らなかったかもしれません。それでも、改革が失敗ということにはならいでしょう。どんな改革も1年では目に見える成果は現れないでしょう。そんな中で目に見える成果もありました。選手の体格は確実に改善しています。スピードとの兼ね合いは、トップリーグレベルでも課題のようですが、まだまだ関東強豪に立ち向かえる体格ではないです。この方向に間違いはないはずです。体重アップによる一時的な成績低下は覚悟の上で進むべきだです。
忘れてはならないのが、今シーズンの選手達のがんばりです。どうしても、我々ファンには見えにくいのですが、大人達の葛藤の中、村上主将を中心にまとまってベクトルを同じにして頑張ってくれたようです。DRC、大学と自分たちの指導者との葛藤、あるいは静かではない我々ファン、そうした大人達の雑音の中、健気に頑張ってくれた選手達には感謝の気持ちで一杯です。


今一番深刻なのは、リクルートだと思われます。他大学が戦略通りに優秀な高校生を獲得していきます。その中で、同志社はここ数年かなり苦戦しています。確かに、現在トップリーグで同志社出身の選手が活躍しているように、数年前までは能力のある選手が獲得できていました。しかし、現役生の世代は、トップクラスの選手は極端に減っています。このままでは、トップリーグに同志社出身の選手がいなくなるかもしれません。もちろん、大学に入ってからの育成を軽んじられません。むしろ、重要性は増しています。ただ、選手獲得競争が大学間競争の最初のステップであり、能力のある選手をさらに伸ばさないと通用しない時代が来ています。圧倒的な能力とパワーの前では、鍛えられた雑草軍団では通用しない壁は現実にあるようです。
同志社に世代のトップ級が集まりにくくなっている原因は数多くあると思います。大別すると、推薦制度の問題と、金銭的負担の問題、ブランド力の低下のようです。推薦制度の問題は、推薦基準が厳しく獲得したくても基準に合わない場合があるということ、さらには同志社の推薦には合格の保証が無いということのようです。高校側にとっても、大学でラグビーを続けたい学生に浪人のリスクをとらせるわけにはいかないでしょう。さらには、過去の不合格などの蓄積により、有力高校の同志社の推薦ランクが落ちてきているようです。金銭面は、この不況も関係すると思います。優秀な選手には、奨学金のある大学からの勧誘もあるでしょうから、金銭的な負担が大きい同志社に飛び込むのは経済的な事情で難しい場合も多いと思います。ラグビーとしてのブランド力は、将来ラグビー選手として身を立てたいと考えるなら、育成に定評のある大学の方が良いに決まっています。多くは、ラグビー部単独で解決できる問題ではなく、大学の協力は不可欠でしょう。
以上書いてきて、今来てくれている学生は本当に同志社を好き出来てくれた学生ばかりだと、感謝します。親御さんのご負担も決して小さくないのを承知であえて来てくれています。心から応援したいです。


まもなくスタッフや主将、副将も発表されるでしょう。2009年の成果は、2010年に受け継がれると見ています。ラグビーは相手との戦いです。同志社も進化してくれるでしょうが、他大学もどんどん強化してきます。置いて行かれるか、追いつくかの分水嶺にいるのでしょう。今年はそうした意味でも興味深く、温かく応援させていただきたいと思っています。よろしくお願いします。



<2009年度大学選手権>
日付 12/20 12/28 1/2 1/10
相手 関西学院大学       
得点 24-38

12-21
12-17

     
場所 花園 秩父宮 国立 国立
張A 菅原C 大槻C 菅原B 大槻C 菅原B 菅原B  
木下B 日野A 太田C   太田C   太田C 濱西C
才田B   星野B   星野B   星野B 才田A
村上C   前田B 洪C 前田B 洪C 村上B  
四至本B
  沢田C
  沢田C
  平岡@
前田B
大平B 中田B 1T 神農C    神農C    洪C   
廣佐古@   村上B   村上B   西山B 四至本A
浦田C   四至本A   四至本A   神農C  
小森B 下平@ 東郷B   東郷B   東郷B 橋詰B
10 橋野C k 2T2G   田島C 才口C 田島C 才口C 森田洋A  
11 中村@   正海@   正海@   正海@  
12 森田洋B   野上A   野上A   釜池C  
13 小林A 西田A 釜池C   釜池C   西田@  
14 大久保B   大久保A   大久保A   大久保A 野上A
15 野上B 1T 正海A 宮本CK   宮本CK   宮本CK 才口C


 
関西学院大学

 関西リーグでの敗戦を受けての再戦でした。関学のヘッドコーチはOBの萩井氏。向山コーチと同期でもあり、今後関西で切磋琢磨を予感させる相手でした。
試合は、司令塔・橋野の見事な先制トライでさい先のよいスタートでした。しかし、すんなりと流れをつかめず、一進一退を繰り返すも、関学の動きがよく勝負所でボールが繋がりません。関学は、4回生でほぼ固めたFW陣に突破力とボールへの嗅覚を感じられる核となる選手が2、3名がおり、前に出る力で簡単に同志社陣までもってきます。しかし、勝負を分けたのは、ディフェンス力の差だったように思います。基本に忠実なタックルや組織的な防御が出来ているが関学に感じました。もう少し正しくは、同志社デフェンスは関学FW5、7などのペネトレーターやSOの突破を止めるだけのDFの力強さが足りなかったと思います。同志社はアタックでも力強さが感じられなかったので、関学DFは恐怖を感じることなく自分の持ち場を守ればよいという好循環があったのでしょう。
試合全体としては、お互いにミスが多く均衡した試合になりましたが、突破力、デフェンス力、射程距離の長さの分だけ関学が上回っていました。

関西学院と大きな力の差があるとは思えませんでしたが、関西学院に横綱相撲を取られた印象もありました。関学の選手は負けるとは思っておらず、余裕を持ってプレーしている印象でした。同志社は実力はあるものの、勝たねばならないプレッシャーのせいか固くなって本来のここの能力を活かす自由なラグビーが不発に終わった印象です。

その中で、橋野の才能が光っていました。彼がケガで1年生以来ゲームに出られなかったのが、本当に残念でした。ケガでは、村上主将も泣かされた1年だったでしょう。チームとしてもつらかったに違いないです。昨シーズンの大学選手権での東海大戦。すべての面で粉砕されましたが、十分通用した村上主将。浦田選手と共にFWを引っ張ってくれると期待しましたが、大切な時期の離脱は痛かったでしょう。東郷副将が昨シーズンの調子を出せずに、強気のゲームメイクを見られなかったのも残念でした。
村上主将、浦田副将、東郷副将、菅原選手、お疲れさまでした。今年のシーズンを決して忘れません。

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