大学選手権 07
日付 | 12/16 | |
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相手 | 筑波大学 | |
得点 | 20-25
10- 8 |
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場所 | 花園 | |
1 | 大槻B | |
2 | 諸隈C | |
3 | 星野A | |
4 | 前川C | |
5 | 川嵜C |
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6 | 大平@ | |
7 | 神農B | |
8 | 羽田C | |
9 | 東郷A | 橋詰A |
10 | 田島BK | 宮本B |
11 | 菊武B | |
12 | 阿部C | |
13 | 中松B | 森田B |
14 | 宇薄C | |
15 | 才口B |
筑波大学 12/16記
「最後の笛が鳴ろうとするそのとき、バックスの誰かが蹴ったハイパントが高く舞い上がり、吸い込まれるような青空の彼方へ消えていった、そして物語は一つの頁を閉じた。今夜の月はきっと半月に違いない」([1830]
Noside 79年卒様)
うっすら暗くなったスタンドに半月が浮かんでいました。今シーズンが終わりました。今とてもさわやかな気分でいます。これは彼らの生き様がくれたものです。ファンの一人として本当によいシーズンを送らせてもらいました。同志社ファンでよかったと思えるシーズンでした。これだけ成長する選手たちを見ることができ、これ以上ないシーズンでした。
前試合で降っていた雨も止み、暑いほどの日差しの中で、静かに試合ははじまりました。スタンドの大半は同志社の快勝を誰も信じて疑っていないように見えました。
前半はロースコアーの試合でしたが、リードを許しても不安は全くなかったです。FWのモールは崩れても立て直す余裕がありましたし、BKの防御網も破られる気配はありません。どこからでも点を取れそうなポテンシャルの違いを感じていましたので、最後の方でトライを奪って、リードで折り返したときには、この試合はまず勝てたと思いました。ただ、ひとつの不安は自陣ゴールラインを背負ってラックやスクラムからのSO田島のキックが、3度ほどチャージされたことです。筑波ディフェンスがオフサイドぎりぎりでSOめがけて殺到しており、レフェリーがまだ早いというジェスチャーをしていたほどです。そのため、SHからSOのパスが乱れたシーンもありました。これだけSOを狙われると、後半はBK展開を封じられるのではと感じました。
後半に入っても前半は膠着した展開でした。しかし、後半半ばごろに相手BKにロングゲインされて、先にトライを許してしまいました。そこから、相手LOを中心とした縦突破やキックミスなどから、連続3トライを献上して10-25になってしまいました。しかし、そこからの同志社の攻めがすごかったです。交代で入ったSH橋詰、CTB森田の思いが伝わってきました。SH橋詰は電光石火の走りで何度も相手ラインの裏に出ました。森田の突破力は、筑波の選手が2、3人がかりでも止まりません。1トライ返した後の森田のトライは圧巻でした。インゴールで相手を相手をかわして中央まで持って行きました(記録はインゴールノックオン)。その直後にも、宇薄がいとも簡単にみごとなトライを決めました。あのBK展開ががもう少し早くできていたら、圧勝していたかもしれません。しかし、本当におもしろい後半10分間でした。来期に向けての大きな10分間になったと思います。
森田のインゴールノックオン。あれはトライだったと思います。もし、あれがトライなら、3点差まで詰め寄って、あと2〜3分はあったでしょう。感動の逆転シーンもあったかもしれません。しかし、それはこれ以上言わないでおきましょう。宮本、森田、橋詰の投入がもう少し早ければ。スタンドも、応援している選手たちも同じ気持ちだったようです。でも、それも言わないでおきましょう。宮本は明らかに足を引きずっていました。森田も体調を崩していたと聞きます。そうした多少の悔いも含めて、来年度につなげればよいのだと思います。
バックスタンドに挨拶にきて泣き崩れた12番、阿部選手の姿が印象に残っています。今日の彼のディフェンスはすさまじかったし、トップスピードでSOからのボールを受けるプレーは迫力がありました。本当によい12番でした。
前川主将がグランドにグランドに姿を見せたときに、小走りでなく、ゆっくり歩いて登場しました。今日にかける意気込みが伝わってきました。キャプテンが体を張って前に出るから、他の選手も前に出られたのでしょう。本当にすばらしいキャプテンでした。
今日の諸隈選手、川嵜選手、羽田選手の姿を忘れられません。諸隈選手のブレイクダウンでの出足、トライの嗅覚はここ数年の同志社になくてはならないものでした。来年以降が心配になるほど、彼の存在は大きかったです。川嵜選手は体を張ってくれていました。特に前川主将が痛んだ時間帯の彼の阿修羅のような形相でのタックルは忘れられません。羽田選手はトライは見事なランでした。こんなにすばらしいNO8が出てきてくれて、まさに今年の救世主でした。
そして、宇薄選手は最後にトライを決めてくれました。少しでも、真ん中への走りは勝負をあきらめていない副将の姿でした。しかし、真の実力はもっとすごいと思います。日本代表を目指してがんばってください。
今日は試合後の拍手がなりやみませんでした。こんなことは滅多にありません。スタンドは彼らの今年の苦労をわかっていたのでしょう。彼らの姿は来年に必ず受け継がれることと思います。試合に出ていない4回生の皆さんも、本当にお疲れさまでした。ゆっくり休んで、ゆっくりと歩いていってください。その人生を応援しています。
2007年度は決して恥じるようなシーズンではなく、語り継がれるべき栄光のシーズンでした。