関西リーグ

日付 10/3 10/10 10/17 10/24 10/31 11/7 11/14
相手 大阪体育大学  京都産業大学  近畿大学  龍谷大学  天理大学  立命館大学 関西学院大学
得点 43-20

17-15
26- 5

54-38

26-26
28-12

55-10

31- 0
24-10

116- 0

62- 0
54- 0

     
場所 花園T  宝ヶ池 宝ヶ池 花園T 宝ヶ池  宝ヶ池 宝ヶ池
児嶋C   児嶋C   児嶋C 岩崎@ 岩崎@              
中村B   中村B   中村B   中村B              
田中B   田中B   田中B   田中B 山本B            
田原C   田原C   田原C   田原C 沢田B            
浦B 沢田B 浦B   浦B 沢田B 浦B              
峠C   峠C 林B 峠C   川端B              
大西B 林B 大西B   大西B   大西B              
深澤A   深澤A 沢田B 林A   林A              
田原B   田原B   田原B   田原B              
10 今森B   今森B   今森B   今森B              
11 大橋A 宇薄@ 宇薄@   宇薄@   大橋A              
12 仙波C   仙波C   仙波C   仙波C 鈴木C            
13 平C   平C   平C   平Ck              
14 鈴木Ck   鈴木Ck   鈴木Ck 大橋A 宇薄@              
15 正面B   正面B   正面B   正面B 淺田B            


大阪体育大学 10/4記

関西リーグで花園のバックスタンドが開放されているのがよかったです。NHKでも関西地区では放映があり、大学ラグビーを盛り上げようという雰囲気は伝わってくる気がします。開幕に注目するカードを持ってくるのも意気込みのあらわれでしょう。

東京遠征3連戦とオックスフォードとの対戦で、個々の体力・能力は関東の上位の大学に勝るとも劣らないことが証明されました。一方で、オフェンス、ディフェンスともチームプレーは意図的に完成時期を遅らせていると思います、ほとんど練習していない状態に見えました。関西リーグでは組織力をどこまで完成させられるかに注目していきたいと思います。特にこの試合は集散・サポート、ディフェンス、BKの展開の3点だけを見たと言っても過言ではないです。
@ 集散・サポート
ポイントへの到達はFW全体の平均値としては非常に高かったと思います。ただ、1人目、2人目の集まりが大体大よりも遅い場合が多かったように思います。結果として、少し遅れて3人、4人と怒濤のようにポイントに集まり、人数を割いたわりには支配できないという結果になっているように思います。これは特に外に展開した場合に多く、FWの問題よりもBK同士のサポートの問題かもしれません。
FWに関しては、攻めている時の前に進む速度とキックで背後に走らされる場合の戻りの速度にかなり差があるように感じました。この試合は攻めている場面が圧倒的に多かったですが、拮抗した試合では戻りの遅れが致命傷になりかねないと感じました。
Aディフェンス
帝京大戦よりもラインのディフェンスはかなりよかったと思います。意思疎通がかなりとれだしたように感じました。ボールを殺しにいくタックルにかなりできていたと思います。ただ、言葉をかえれば追いタックルになっている場合が多く、相手にとっては恐怖を感じずに思い切ってあたりにいけているようにも見えました。1人でもBKに低い当たりで相手を裏返しにするタックルリーダーが必要だと思います。
キックのディフェンスは同志社の長年の課題だと思いますが、この試合ではしっかりキャッチして、蹴り返すのではなくマイボールキープして切り返し相手の攻めのリズムを崩していました。大体大のキックは長くもなく短くもなく定石通りの距離でしたが、関東学院などのキックはもう少し鋭角で距離があり、相手ラインの攻めあがりも早かったと思います。関西でキックをうまく使うチームがあるのかわかりませんが、選手権をにらんだ対策は必要だと思います。
BBKの展開
BKも密集をつくケースが多く、また前に出られない時は無理をせずにキックを用いていたため、緊迫した場面での展開はあまりありませんでした。それでも正面のライン参加は迫力がありました。正面にはリスクを冒しても自由に動けるリベロとしてのFBになってもらえればよいと思います。後半の平、宇薄、正面とつないでトライにつながったプレーは、平、宇薄のパスのタイミングが見事で実力の片鱗を見せるキラリと光るプレーでした。SOを中心とした鮮やかなサインプレーを見られるにはもう少し時間がかかると思いますが、期待できると思います。

・ 意外と言っては失礼ですが、見事だったのはハンドリングでノックオンも見られませんでした。また、ボールを手渡しでつなぐプレーは高度な技術がいると思いますが、ほとんどミスなくこなしていました。
・ ピックアップを今後は見てみたいです。連続攻撃時はほとんどがポイントを作ってSHによる球出しをしていましたが、これからはSHを待たずにダウンボールからどんどん攻める必要もあるでしょう。ピックアップ技術が重要です。
・ ドライビングモールは圧力はそんなに感じませんでしたが、ディフェンスの力点をはずすスキルは見事だと思います。今後武器になるでしょう。
・ 同時にドライビングモールを中心の武器として計算しすぎると、(全く通用しなかった場合は敗戦で仕方ないのですが)やや通用している場合に得点に非常に時間がかかるが、そのわりに相手には一発で取られてしまうと言う展開になる可能性があると思います。モールに相手のFWを絡めこんで、少し回してのサイド攻撃やBK展開とうまく絡めていくことが必要になるでしょう。
・ スクラム、ラインナウトのセットプレーは問題はなかったですが、よいのかどうかは判断がつきませんでした。スクラムは大体大に対して互角以上だと思いました。

試合の流れとしては前半の集散・サポートの反応の遅さを後半は修正して、早い球出しでリズムよく攻撃でき主導権を取れたと思います。ハーフタイムでの修正は相変わらず見事だと思います。ただし、大体大が後半はやや息切れしていたこと、個々の能力で上回っているという点は差し引かないといけません。

3、4回生中心のチームで2回生の2人の活躍、NO8深澤が大体大のFW相手に突破していたこと、大橋が華麗さを捨ててまで体を張って密集に攻め込みポイントを作ってくれていたことにはちょっと感動しました。
個々の体力アップで昨年のこの時期は遙かに上回っていると思います。ただ、まだまだ完成度を上げるだけでなく、激しい競争をしてほしいと思います。FWでは反応の鋭い昨年の荻原、高橋のような選手にも、強力なペネトレータとなる選手に出てきてほしいです。BKでは相手の足がすくむようなハードタックラーに出てほしいです。楽しみです。

京都産業大学 10/10記

台風一過の秋晴れの宝ヶ池とあってはどうしても駆けつけたいところでしたが、残念ながら、TV観戦でした。ただ、解説が圓井元監督で楽しく見させてもらいました。

試合開始直後、相手キックを正面が切り返してロングゲインし、連続2トライにつなげました。
しかし、その直後から後半30分くらいまで、京産大のペースで試合が進んでいました。京産大FWの圧力とSHの俊敏な動きの前にポイントを支配されて早い球出しを許してしまっていました。オフェンスでも相手圧力が強いのかノックオンなどのミスが多く、球出しも遅れボールを制御できていない印象でした。
ところが、 後半30分頃、突然強い同志社が帰ってきます。ポイントの連続支配から早い球出しで押していき、FWのモールトライやBKでトライとバリエーションも豊富に理想的な攻撃でした。昨年も前半は劣勢ながら、後半は一転して攻めるというパターンが多かったですが、今日はちょっと遅くて冷や冷やしました。正面の個人技がなければ、どうなっていたかわからない試合でした。

大体大戦で感じたことを一層感じました。
@ 集散・サポート
ディフェンス時にタックルした後の1、2人目のサポートが遅いです。ルーズボールについても同じです。 オフェンス時はそれほど感じないだけに、攻守の意識の切り替えができれば、改善可能だと思います。これが最重要のような気がします。
Aディフェンス
ボールを殺しに行く高いタックルはしていますが、相手を倒すもう1人がいないので相手に立ったまま容易にボールを支配されています。 そのため、京産大SHに自由にゲームメイクされていたようです。密集を起点にドライビングモールにしたり、早い球出しから展開など、 ディフェンスは意識を分散されていたようです。ポイントへの1、2人目の到達の遅れにより、同志社は密集に人数を掛けざるをえず、ディフェンスラインに人数が 不足していたことも、対応の遅れとなっているように見えました。こうした悪循環を断ち切れないでいました。大体大戦に続いてSHに中央突破トライされたのも、こうした流れの中からでした。
相手のドライビングモールに対するディフェンスがあまり機能していなかったようです。関東には関西ほどFW戦にこだわるチームは無いとはいえ気になる点でした。
BBKの展開
個人技とパスのタイミングがよかったと思います。正面、宇薄、鈴木のバックスリーはギャップをつくランを、今森、仙波、平はラインをこじ開ける力強いランを見せてくれました。両FLがうまく絡んでいたのも大きかったです。
Cセットプレー
そろそろラインナウトが気になる季節ですが、まだ安定度は低いようです。ラインナウトの安定しているチームでは、相手の陣形を見て、とっさにスロワーがタイミングを変え、キャッチする側もそれに反応 するといった両者の呼吸があるそうですが、そこまではいっていないように感じます。スクラムは押しているか押されているかといえば押されていますが、マイボール時にはNO8の早い持ち出しで、相手ボール時はうまく回すなど で、対応していました。何より、FWが売りのチームに対して、スクラムが試合の中で大きな意味を持たない展開にできていると思います。
Dハーフ団
田原、今森は今までの試合ではキック、パスが主体でしたが、この日はランが見られました。今森の中央突破は迫力がありました。田原のステップもキレがありました。非常に有効な攻撃で、BKがより生きると思います。

圓井元監督は「現段階では全国でやれる実力ではない」と言っておられました。まだ、チームを完成させていない段階ですので、これからということでしょう。ただ、トップリーグの試合をみると、FWの運動量 で見劣りします。寝たまま起きないとかではなく、精一杯やっているのは見えます。ただ、常にボールに絡める位置にいること、局面での早い反応は 大前提なので、あと少し強化する必要があると思います。

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