関西リーグ
日付 | 10/7 | 10/14 | 10/28 | 11/4 | 11/11 | 11/17 | 12/1 | |||||||
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相手 | 大経大学 | 摂南大学 | 龍谷大学 | 大体大学 | 立命館大学 | 京都産業大学 | 近畿大学 | |||||||
得点 | 76-7 31-0 |
93-10 55-5 |
67-6 26-3 |
45-28 26-
0 |
31-40 26-13 |
80-17 33-
5 |
54-26
28-13 |
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場所 | 花園T | 長居U | 宝ヶ池 | 宝ヶ池 | 宝ヶ池 | 宝ヶ池 | 宝ヶ池 | |||||||
1 | 大瀧C | 森A | 大瀧C | 森A | 大瀧C | 大瀧C | 森A | 南C | 南C | 和田C | ||||
2 | 和田C | 和田C | 和田C | 表B | 和田C | 表B | 和田C | 表B | 表B | |||||
3 | 尾崎C | 尾崎C | 尾崎C | 尾崎C | 尾崎C | 尾崎C | 田中洋C | 尾崎C | 田中洋C | |||||
4 | 堀越C | 堀越C | 堀越C | 堀越C | 藤井B | 堀越C | 藤井B | 藤井B | ||||||
5 | 望月A | 望月A | 上野B | 望月A | 望月A | 藤井B | 端迫B | 望月A | 堀越C | 堀越C | ||||
6 | 飯尾A | 萩原A | 田中正C | 飯尾A | 田中正C | 佐藤A | 飯尾A | 飯尾A | 飯尾A | 萩原A | ||||
7 | 奥薗B | 萩原A | 田中正C | 奥薗B | 上野B | 奥薗B | 奥薗B | 奥薗B | 奥薗B | 田中正C | ||||
8 | 端迫B | 端迫B | 小川C | 端迫B | 端迫B | 飯尾A | 田中正C | 望月A | 端迫B | 萩原A | 端迫B | 田中正C | ||
9 | 二ノ丸C | 竹山@ | 二ノ丸C | 佐藤A | 佐藤A | 竹山@ | 竹山@ | 佐藤A | 竹山@ | 竹山@ | 竹山@ | 佐藤A | ||
10 | 仙波@K | 仙波@K | 仙波@K | 山下BK | 山下BK | 山下BK | 山下BK | |||||||
11 | 鈴木隆C | 吉田Ak | 鈴木隆C | 鈴木隆C | 鈴木隆C | 辻C | 辻C | 鈴木隆C | 鈴木隆C | 吉田A | 鈴木隆C | |||
12 | 伊勢C | 山下B | 伊勢C | 山下B | 大石B | 徳野B | 徳野B | 徳野B | 徳野B | 中松C | 徳野B | 吉田A | ||
13 | 中松C | 中松C | 中松C | 中矢B | 中矢B | 大石B | 大石B | 伊勢C | ||||||
14 | 馬場C | 馬場C | 吉田Ak | 馬場C | 馬場C | 馬場C | 馬場C | 馬場C | ||||||
15 | 宇野C | 宇野C | 吉田Ak | 中矢B | 吉田A | 吉田A | 中矢B | 中矢B |
感想
大阪経済大学 10/7記
開幕戦が花園第Tグランドの第2試合。天気もよくて、気分が良かったです。
○ラインディフェンス対策
前半は大経大のディフェンスが健闘したと言っていいでしょう。昨年、選手権で苦しめられたのと同じ横一列に並んだゾーンディフェンスを敷いてきました。このような戦法を取ってくれるのは同志社にとっても、ありがたいことでしょう。ラインディフェンス対策を練れます。力的にはかなり差のある相手でもきれいに並ばれてしまうとプレスがきつく、こじ開けるのは至難の業でした。個人の突破を図ってはボールを取られる。ライン攻撃を仕掛けてはパスミス。結局、前半は相手の揃ったラインを崩す場面はなかったように思います。
どのようにしたら崩せるのでしょう。やはり1回では崩せないので、ポイントをつくってフェーズを上げていくしかないでしょう。とはいえ、見え見えのポイントづくりでは現状の集散のスピードでは攻撃しているのに人数が減っていくという例の現象が起きるでしょう。きれいに抜けなくても、なんとかちょっとでも相手ラインの裏にでて、ポイントづくり。そこから、ラックからの早い球出しか、モールを作ってワンプッシュからのモールサイドの突破に持ち込みたいところです。結局、少しは相手ラインを崩さないといけないというところに戻ってしまいます。そのための戦術、戦法が必要と思います。
○FWが圧倒したときの同志社は強い
これはラグビーの試合一般に言えることでしょう。しかし、バラエティーにとんだBKをもつ同志社にとってはFWの重要性は高いと感じました。試合が進むにつれ、試合当初からのFW攻撃がボディーブローのように効き、大経大FWが息切れ。そこからはFW戦は完全に支配。そうなるとBKのサインプレーが決りだしました。ラックからは奥薗、堀越らも絡ませた多彩な攻撃も見られました。
○スクラム
FWに力の差があるので、スクラムも支配していました。しかし、押すのではなくて、うまく回して相手のFLを殺しておいてからNO8端迫の突破させるなど、工夫が感じられました。
○継続の仕方
この試合では相手に捕まってから、崩れた体勢からでも、パスでつなぐプレーが再三見られました。通常は「一度ポイントをつくってから」という場面でパスを見事に決めていました。これは練習から意識していないとできないと思います。ゲームにスピード感が出ます。このプレーは失敗すると、試合中に伊勢が言っていたように「軽いプレー」になるのでしょうが、今後も続けていってほしいと思いました。
全体に思ったのはFWが優位に立つことで、チーム全体に余裕が生まれていたことです。あらゆるプレーにゆとりが感じられました。ミスしても、落ちついて処理できていました。問題はFWが互角になった場合です。これで浮き足だったのが、昨年、一昨年の国立のような気がします。関東勢を上回るFWにする努力は必要ですが、FW互角を想定したイメージトレーニングがもっと大事なような気がします。
気になった選手を挙げます。
○竹山
彼の早い球出しは関西においては異彩を放っています。相手どころか味方をも置き去りにする瞬発力もあり、チームに緊張感を与えてくれる選手だと思います。彼のリズムがチームに伝搬していけば、国立では新しい同志社が見られると思います。伸びるキックといい、鬼束とダブって見えました。
○尾崎
元気な彼を久しぶりに見ました。後半の突破では彼の走った後にケガ人がゴロゴロ。独特のステップでスタンドを沸かしてくれました。
○SO
前半は仙波、後半は山下でした。前後半で試合展開も、SHも違うので比較はできませんが、山下はキック、仙波はディフェンスが印象に残りました。山下のキックというと、プレースキックという印象があったのですが、今日は試合の流れの中でのキックが良かったです。落としどころが絶妙で、逆サイドまで視野に入れていました。後半は風上ということもありましたが、キックがよく伸びていました。
仙波は前半の相手のプレッシャーのきつい状態でのSOで、かなり大変だったと思います。ただ、オフェンス面ではもう少し周りが見えてくればと感じました。しかし、ディフェンスではハードタックラーという感じはしませんが、しつこくボールに絡んで殺している場面がありました。あと、回せばトライという場面でのランもありましたが、全体としてはランが少なく感じました。自信をもってランを多くしてもいいように思います。ボディーバランスが良さそうで、ポイントの核となっても、ケガをすることも少ないではないかと感じます。
○鈴木
手首を痛めたようで途中交替でしたが、じっくり見たのは2年ぶり。ハイボールへの対応はさすがです。彼の考えたプレーが好きで、今年こそはシーズンを通して活躍してほしいです。ケガが早く治ればいいですが。
唯一の失点は後半早々。大経大がキックから右隅に駆け込んだもの。あれは狙ったプレーですね。あれは大経大を誉めるべきでしょう。
まあ、とにかく順調なスタートです。このまま成長していってほしいです。
龍谷大学 10/28記
天気予報は雨でしたが、照りつける日差しは暑いくらいでした。
同志社:龍谷に先立って行われた立命館:大阪経済大も観戦しました。立命館は前の試合で大体大に完封して評価が急上昇です。ディフェンスでは前に出て止める意識が高く、脅威に感じました。ルーキー馬場がスタンドオフに入った後半はオフェンスでもリズムが良かったです。しかし、失礼ながら私には今一つピンときませんでした。どこか高校ラグビーの延長といった雰囲気があると言ったら失礼がすぎるでしょうか? もちろん、強敵であるからこその口撃ですが(笑)・・・。一層の成熟に期待します。
○前半
試合開始の笛と同時にモールで相手を圧倒。FW戦に関しては早くも勝負有りの雰囲気でした。FWでタテに責めたときの迫力は去年と変わりません。NO8端迫、FL田中、LO望月、堀越、そしてPR尾崎と大駒がスピード豊かに次々と湧いて出ると誰も止められません。時折フォローが遅れるものの集散も悪くはありませんでした。もちろん、関東学院とは比べものにはなりませんが、これも同志社の持ち味であると認められる程度のレベルには達していると思います。FW同士でパスをつないでどんどん責め続けるのはまさに豪快の一言です。
ただ、タテ攻撃から展開への移行はうまくいっていませんでした。HBがFWとBKをコネクトできていない場面がしばしば見られました。これは龍谷にも言えることですが、BKを生かすことができないまま前半が終了という印象です。
レフェリングにも苦しんだようですが、これも関東を考えれば勉強のウチだと思います。レフェリーへの不満から時間を無駄にするのはあまりにもった得ない。レフェリーへの対応力も課題です。
○後半
後半は一転して展開志向。SH竹山の球出しの早さと正確なパスが光りました。BKにまわしてほしいとこちらが思ったときにはもう廻っているほど、早かったです。パスは片手を最後までボールに残してスピンの効いたボールを放っていました。オフサイドの位置にいる相手がやむを得ずサックするのも楽しんでいるかのようなリズミカルな動きがチームにも伝搬していました。ただ、竹山一人の力ではなくてインサイドセンターに徳野が入ったのも大きかったと思います。仙波も動きが良くなり、HBが機能しました。
しかし、ミスでチャンスを自ら潰してはなかなかリズムに乗り切れません。継続ラグビーは反則を取られないのが前提です。スローフォワードが大半でしたが、彼らの実力からすると防げるミスのはずです。早急な修正をしてほしいです。
○試合を通して
この試合は必ずしもすっきりした試合ではなかったです。特に前半は観客席のあちらこちらで不満の声が聞こえました。
ただ、今日は前後半とも目指したものが見えたように思います。前半はFWを前面に押し出して、後半は一転して展開を意図していたようです。ミスは目立ちましたが、意図したことができるようになってきたと思います。2通りの戦いのできるチーム。圓井監督の就任以来続く進化は途切れていません。
○ミスについて雑感
ミスが多いのは技術的なものよりも、精神的なものの方が大きいような気がします。昨年まではFWは大西に生きたボールを渡そうという意識で統一されていたように思います。BKも同様でした。その拠り所が無くなりプレーの中に半信半疑な部分は無いだろうか? プレーヤーの内面という周りには決して分からない部分ですが、そんなことをふと思いました。
○今日印象に残った選手
・佐藤 : 体格のあるSH。まさに9人目のFW。FWを前面に押し出した前半のような展開では大きな武器です。
・鈴木 : 風は無かったとはいえハイボールへの対応はさすがです。落下点では無い位置でダミーで大きくコールして相手を引きつけてから、落花直前に落下点に動いてキャッチと、これは相手をかわす業でしょうね。職人です。
・端迫 : 田中と2人でラインに並んだときは壮観です。ただ、もっともっと荒々しくてもいいかもしれません。
・中矢 : 短時間の出場でしたが、立って仲間を待てるキープ力はやはり特筆。若手への指導力も含めて欠かせない存在です。
・表 : 機動力があり、ラインディフェンスで活躍していました。
・中松 : 突破力があり、何度も相手ラインをこじ開けました。
去年も出ている選手はやはり余裕を感じます。大瀧、奥薗、徳野、馬場はディフェンスでしっかりと働いてくれていました。彼ら無くしてノートライはできなかったでしょう。だれが欠けてもあまりに痛いです。それだけに途中退場の奥薗の膝が心配です。
大阪体育大学 11/4記
関西リーグもこれからは手強い相手との対戦です。まずは同志社戦になると120%の力を発揮する大体大。そのFWの力は例年安定しており、FWの力を測るには格好の相手です。
○前半
午前中はかなり風が吹いており、ここ数年国立で悩まされている風対策が見られると思っていましたが、前半はほとんど風もなく穏やかな昼下がりという見ているものにとってはなんともありがたいお天気でした。
試合開始前のメンバー表でSH竹山となっており、今日は先週の後半のようなゲームを最初からする気だと感じました。実際そのとおりで最初からFW、BKが一体となった展開ラグビーを見せてくれました。ただ、セットからの1次攻撃ではSOからのボールがつながらずに、ターンオバーされて相手陣でゲームができない状態が続きました。SO山下を激しくチェックをするという大体大の作戦が当たりました。
それでも試合の主導権を渡さなかったのは自陣からのビックゲインで奪った2本のトライ。さらに、奥薗の判断良いクイックラインナウトからのトライで突き放します。この3本はいずれも相手が攻撃モードの時に隙をついたトライで、流れの中のトライが1本なのが少し気になりました。
しかし、相手を無失点に抑えたのはゲームキャプテン堀越の凄まじい気迫がチーム全員に乗り移った為でしょう。ここ一番での集中力とFW戻りの早さはすばらしかったです。そんな中でも冷静さを保っていた奥薗の存在も大きかったと思います。それと、大きかったのはスローフォワードやノッチリリースザボールなど龍谷戦でみられた反則の修正ができていたことです。
○後半
後半もSH竹山を中心に前半と同じ展開志向。序盤は同志社のペース。圓井監督が会場で配られるメンバー表に書いた「小刻みな継続プレーから最後はウイングで!という全員ラグビー」はできていました。つないでの田中のトライも、馬場が一見個人技で持っていったトライも、FW、BKが一体となった攻撃があればこそです。しかし、端迫がスクラムから一発で持っていったトライには驚きました。力強さは大学ではNO.1ではないでしょうか。
しかし、前半からの展開ラグビーのせいか、やがてFWの足が止まりだしました。「きつくなったらしゃべれ!」という堀越?の声も空しく響きます。山下のキックからカウンターでのトライ、尾崎のキックからのカウンターでのトライとどちらもボールを目で追っている間に抜けられて点数を献上してしまいました。伝統的にうまいキックの使い方ができませんね(笑)。さらには終盤になると、大体大FWに力負けして終了前5分間くらいで2本取られてしまいました。
○スタミナ
後半の失点は体と心のスタミナ切れに尽きると思います。前半からの展開志向で、FWはかなり走っていました。FWの中でも密集で仕事をする人とラインに残る人の役割分担が大まかにありますが、密集に入る人の消耗は並大抵ではないでしょう。この影響が後半の中盤以降になってでたと思います。後半にアゲインストの風がやや強くなりました。同志社は風に弱いというイメージがありますが、この日もそれも感じました。
今日はFWのタテ攻撃が少なかったです。モールになる前に、ラックからのサイド攻撃の前に、ボールはラインに廻っていました。大体大のFWが最後まで元気だったのはいつもの前半のタテ攻撃が無かったためもあるでしょう。同志社FWのタテ攻撃はスピードもパワーも抜群で想像以上に相手にとってはボディーブローになっていると思います。
今シーズンはFWのタテ攻撃と展開ラグビーの連携をまだ見ていません。前の試合でもどちらも単独では見せてもらいましたが、この連携ができていないように思います。同志社のFWに90分通してグランド中を走らせるのは無理でしょうし、それがセールスポイントでもないと思います。それがSHを使い分けている理由でもあると思いますが、今後はFWのタテ攻撃とFW、BKが一体となった展開ラグビーの連携が必要であると感じます。
○今日印象に残った選手
大瀧 : 地道なフォローや密集でのスイープに頭が下がります。今年もボール継続のキーマンでしょう。
徳野 : 彼も地味なプレーをきちんとやっています。セービングがすごいです。まさに「同志社にボールが出るのは彼がいるから」(大西前主将)でしょう。
山下 : プレースキックは相変わらずいいですね。2年前花園での衝撃を思い出しました。
今日は少し国立の準決勝を思い出しました。同じように呪縛にかかったような後半。前向きに考えれば、このような試合を経験できたことは良かったと思います。今後、まだまだ強くなるチームです。まずは来週に期待です。
京都産業大学 11/17記
先週は観戦できませんでしたが、立命館大学に完敗とのこと。関西リーグでは3年ぶりの敗戦だけに周囲の反応はすごかったようです。
ラグビーの本来のおもしろさは逆境からどのように挽回していくか、ここに尽きると思っています。それはゲームの中だけでなく、チーム作りにおいても同様です。大学ラグビーは選手がもっとも伸びる時期と重なっていること、そしてチームの方針を決めるチームリーダーが毎年変わること、これによりチームの成長を見守る楽しみが増えます。そして、これはラグビーというスポーツに特徴的なことだと思いますが、チームのスタイルは単年だけのものではなく伝統を脈々と引き継いでいます。これがノスタルジーも相まって大学ラグビーに人気が集まる理由でもあると思っています。
ただ、今年のチームは逆境ではありません。たった1敗でそれまでのチーム作りが否定されるようなチームでは無いと確信しています。今までやってきたことは間違いではなく、着実に成長をしています。立命館大戦は見ていませんが、その前の大阪体育大学戦では後半開始15分くらいが今シーズンで、もっとも良いリズムだったと思います。あくまで今年の目標は選手権決勝です。
試合前に近畿大と立命館の試合を観戦しました。以前から負けるとしたら立命館と思っていましたが、今日は同志社を倒したチームには見えなかったのですが・・。(しつこいですね。これも立命館が強敵であるが故の口撃です(笑)。)
今日の試合ですが、テンポの良い竹山のパスワークから15人が一体となった攻めが見られました。一度、チームが組織として機能し始めると、個々の接点での強さがそのまま得点に結びつきます。見ているものにとって、非常におもしろいラグビーでした。FWの集散は遅いようにも見えますが、ラインに残ったFWが展開時に有効に機能します。これがスピードがあり、ハンドリングもよいが、スタミナには難のある同志社FWのスタイルでしょう。局地における集散はすばらしいです。
○ディフェンス
ディフェンスは見違えました。やはり先週の敗戦が薬になっているでしょうか。受けに回ったゾーンディフェンスではなく、相手がスピードにのる前に早め早めに潰していました。止めるだけでなく、意識して2人がかりでボールを殺しにいっているように見えました。受け止めながらプレッシャーをかけて追い込んでいく、相手のミスを誘うというのが昨年のスタイルであったと思いますが、大西や伊勢のような一発で決める選手がいない今年は今日のようなディフェンスがあっているかもしれません。
○ライン
今日はCTB大石、中松、ライン参加の中矢がタテに突破できていました。相手ディフェンスをうまくずらしていたようですが、同志社が良かったのか京産大の出来が悪かったのか判断はつきません。ただ、ラインにスピードが出てきたことは間違いないです。しかし、BKの連携はまだまだ不十分です。チャンスはたくさんあるにもかかわらず、ライン攻撃からWTBを生かすような展開にはなかなか持って行けていません。順に回す以外の攻撃のバリエーションもそろそろ増やす時期かもしれません。
○セットプレー
スクラムは京産大をまったく寄せ付けませんでした。ラインナウトも相手ボールを取るなど、良かったです。セットプレーの安定が試合が一方的になった要因だと思います。ただし、特にラインアウトに関してはこの試合では判断できないところがあります。セットを高めることと同時に、相手に支配された場合の想定がより重要になると思います。
○最後の10分
どうしてもこの時間帯に息切れしてしまいます。それまでのいいリズムがウソのようになってしまいました。選手権ではここからが本当の勝負でしょう。今日のような試合では最後まで集中しろというのも酷ですが、これを意識することが大切でしょう。選手権での最後の10分は肉体的にはふらふらになっているでしょう。そこからの本当の勝負を同志社がしてくれることをずっと期待して待っています。
京産大のディフェンスは同志社のライン攻撃にことごとくずらされていました。しかも、1人抜かれるとカバーがいませんでした。ここまで蛋白な京産大は意外でした。選手層が薄い中、やりくりが大変だと思いますが、選手権では意地を見せてほしいものです。新入生時に大西監督が大畑2世と言っていた三宅のスピードを久しぶりに見られて良かったです。
奥薗 : 1年生の頃のような元気のいい奥薗が見られました。今年はつなぎに徹していたようですが、ボールをもつとスピードが生きます。もちろん、地味なプレーも良かったです。
飯尾 : すごい運動量です。感動的でした。
鈴木 : やはり頭脳派のプレーヤーです。ボールを持っていないときの動きも良かったです。
萩原 : もう少し長い時間みたいプレーヤーです。藤井や田中洋らが帰ってきて、これから絶対に必要な選手です。
中矢 : やっとFB中矢が戻ってきました。彼ならこれくらいは当然という感じもしますが、これからどんどんライン参加を見せてほしいです。
馬場 : ボールを背中で持ち替えながら独走トライ。子気味良いステップ。ゲームリーダーとして引っ張ってくれました。
追記(11/18)
もう一人、どうしても挙げておきたい選手がいます。中松です。現地では誰だかわからなかったタックルもTV中継の録画で彼と確認できました。再三、ビックタックルを決めていました。失礼ながら、これまでタテに突っ込むだけという印象がありましたが、この試合はシビアな場面できれいなパスを放っていました。ゲームの理解度が高い選手と感じました。
最後にもう一人。田中洋主将。ボールを持ちたがりすぎて、少々ブレーキ気味にも見えましたが、まあこれはご愛嬌。昨年までのイメージを覆して、ケガも完治しないのにがんばる姿はチーム士気を高めてくれると思います。
近畿大学 12/1記
ビデオ観戦でした。
映像では生で見るのとかなり印象が違うので、いつもと比較できない部分が多いです。ただ、結果を知った後、割とさめた目でビデオを見て受けた印象は、次のようなものでした。
この試合はいつも以上に危機感を抱いて非常に真剣にやっているのは伝わってくる。特にFW第一列の動きがよい。しかし、その動きには焦りを感じる。いつもの余裕めいたもの(これは悪い意味で使われることが多いが・・)が感じられない。
時間への意識が高いことは悪いことではありません。しかし、それは統一したチームコンセプトと、そこからくる自信に裏付けられたものでないといけないような気がします。後半のスタミナ切れも、前半の動きすぎによる消耗も大きいと思います。ラグビーでは無駄働きを惜しんではいけないですが、後半を見据えて無駄な体力の消耗は控えるべきです。
今日の最大の課題はラインディフェンスでしょう。フェーズが低いときに、揃っているラインを破られているケースが散見されるのが気になります。近畿大の選手はシンプルにプレーしていました。勢いをつけてボールをもらいまっすぐに走っていました。同志社のディフェンダーの方が内にずらされて、まっすぐにタックルに入れずに半身の片手タックルになって抜かれているようでした。
相手の攻撃ラインの方が人数が多い場面で、ツメのディフェンスができずにみすみすロングゲインを許した場面もありました。
密集サイドに穴ができる場合もあり、こうした様子をみると、個々のタックル能力よりも、ラインのコミュニケーションの問題の方が大きいと思います。ラインにFWが残ってディフェンスをして、バッキングアップをバックスリーが行うことも多いですが、同志社に独特な変則スタイルでは個々の判断力のアップと連携がより必要でしょう。
同志社の変則スタイルということでは、SO、WTB、FBでラックをつくり、密集から遠いところで藤井、表、尾崎らがラインを形成と、今までのラグビーの常識とは反対のような陣形も見られます。これは関東を相手にしても、有効だと思います。こうしたアイデアはすごく好きです。今後は精度を上げて、どこまで通用するか全国の舞台で披露してほしいです。