第37回大学選手権

日付 12/17

12/23

1/2

  1回戦 2回戦 準決勝
相手 専修大

明治大

関東学院大
得点 72-5

57-0
15-5

46-14

7-7
39-7 

19-33

12- 8
 7-25

場所 花園 花園 国立
大瀧C 南B 大瀧C   大瀧C  
堂守C   堂守C 表A 堂守C  
田中B   田中B   田中B  
林C   林C   林C  
藤井A 堀越B 齋藤C   齋藤C  
山田C   山田C   山田C  
奥薗A   奥薗A   奥薗A  
田中C   田中C 端迫A 田中C  
長谷川C   長谷川C   長谷川C  
10 大西C   大西Ck   大西C  
11 B   辻B 加藤C 辻B  
12 伊勢B 今井C 伊勢B   伊勢Bk  
13 徳野A   徳野A 今井C 徳野A  
14 吉田@k 馬場Bk 馬場Bk   馬場Bk  
15 中矢A   中矢A   中矢A  

感想

専修大学 12/18記

去年と同じく、花園からの選手権スタートです。

昨年は日本体育大を個々の強さで圧倒した完勝劇で、大西を欠くものの、これ以上はないスタートでした。一貫して「スクラムから」を掲げたシーズンで、その凄まじい破壊力の開花に関西リーグから見続けたファンでさえも度肝を抜かれました。監督らスタッフ、水間主将をはじめとする選手たちのチームづくりの方向性の正しさを改めて感じさせられた忘れられない一戦でした。
しかし、一方で昨年は選手権レベルのゲームをするために最低限必要なスキルを消化しきることはできないシーズンでした。それが、事実上の決勝であった慶応戦の6点差だったように思います。たったの6点ですが、そこに両チームの力量差が凝縮されていると感じました。

そこまでが昨年できるすべてであり、限界であったと思います。去年、水間主将が築いたしっかりとした土台の上に、家を建てることが今年の課題でしたが、それはほぼ出来上がっていると思います。あとは、大西主将がまだ真っ白な建物に装飾を施すだけですし、大西の類い希な本当の能力を発揮する舞台は今年の選手権です。昨年から続くチーム進化という意味で、同志社の歴史の中でも特に大切な年だと思います。

試合の方はテレビ観戦でした。基本的には前後半通じて同志社が一方的に攻める試合でした。しかし、前後半でかなり内容の違う試合になりました。その点について、感じたことを述べてみます。

○強い同志社
前半からエンジン全開の攻撃でした。攻撃ではタックルを受けても、
ポイントでは人数を割かずに支配し、早い球出しからの攻撃を繰り返し、ラインでの数的優位を作ってから、WTBにボールを配給するという理想の展開でした。ここで大切なのはポイントを少人数で支配できたのは徹底したサポートがあったということです。キャリヤーに続く最初の2人が素早くポイントをつくったからです。ポイントに入るかどうかの個々人の見極めも良かったようです。早いサポートは全員によるものですが、特に林、堂守、大瀧、BKでは徳野が目立ちました。
○素早い状況対応
ただし、前半の後半には専修もディフェンスで対応してきました。関西テレビの解説の藪木氏(神戸製鋼)の言葉をかりれば、「専修ディフェンスは1人目のタックラーが必ず倒しているので、他の選手がラインに残って、攻撃の同志社よりも数的に優位」で、同志社が攻め倦ねる場面が出てきました。藪木さんは同志社側の打開策として、「チャンネル0からの崩し」を挙げられていました。しかし、同志社が出した答えはもっと明快で鮮やかでした。バックスのライン攻撃です。徳野、大西のループから、逆サイドからの辻がつないで、ライン参加の中矢が走りきってトライ。数的に少ない同志社BKが、振り切りました。その外には吉田が余ってさえいました。

○後半の攻めあぐね
しかし、後半になると専修のディフェンスはさらに厳しさを増します。
ポイントに人数を割かない同志社の戦法に対処してきました。タックラー以外は全くと言っていいほどポイントに入らず、ラインに残ります。同志社はそれでも、2、3人要してしまうので、そこで数的な不利が生じました。「チャンネル0」でも、ゲインはできていませんでした。
ここで感じたのは2つ。
@少人数によるポイント形成からの継続ラグビー
ここで意図しているのはポイントを相手よりも少人数で形成することによる数的な優位な状況を作ること、そしてそこから大きなゲインをして、相乗効果でより優位な状況の形成です。ラグビーという数と領域のゲームの本質をついた戦法です。これを批判する気は毛頭ありません。しかし、後半のような状況では時間の概念がより必要になると思います。ボールキャリヤーはタックルを受けても、倒れている暇はありません。ポイントをつくって、ダウンボールして(ここまでで2、3人消費)、SHが来て、さらに続く選手(ポイント到達では5、6番目の選手)を待っていたら、相手ラインは完全に整備し終わっています。ボールキャリヤーが倒れない意識、倒されるまで突っ込まない意識、世界的な流れでもある倒されながらのパスワークも必要になるのかと感じました。
A状況対応力
専修の対応力には感心しました。しかし、これ以上の対応力を今後の相手も持っているし、この試合はいろんな観点から分析されると考えるべきでしょう。相手がゲーム中に修正してくるなら、こちらも修正して行かなくては力の差のない相手ではゲームの流れはつかめないでしょう。

以上、好き勝手なことを書きました。
この試合で感心したプレーを挙げておきます。
・中矢のWTBのフォローとライン参加
・辻のチェンジオブペースと逆サイドへの参加
・徳野の針の穴を通すようなパス
・大西のスペース感覚
・長谷川のラン
・田中正のカミソリのような切れ込み
テレビで放映されていたレギュラークラスの選手たちの会話は楽しかったです。ひとたびグランドを離れれば、上下のないフランクな関係は、同志社の他の体育会よりもはるかに自由な雰囲気だと思います。

 

 

明治大学 12/24記

これだけの試合の前では私などの観戦記は不要ですね。それでも、私の熱を書き記しておきたいと思います。

今日は大西将太郎です。
私は初めて経験する花園の超満員。大西将太郎の集客力に驚かされました。

まずは主観でもって、試合を振り返ります。
○前半
明治の動きが凄まじく、完全に同志社を上回っていました。スタンドに陣取った明治の控えの選手たちも、ヤジなど飛ばさず静かに自信に満ちた表情で見つめていただけに、背筋が寒くなるのを感じました。特に滝沢をはじめとした明治FWの強く速い攻撃は関東リーグ戦で2敗したチームとは思えませんでした。かつての同志社に苦杯をなめさせ続けた明治重戦車のイメージそのままでした。ディフェンスでも、攻撃的な守りで前に出て、同志社SO、CTBをクラッシュしていました。
一方の同志社は動きが硬い印象。攻撃でもフォローが遅れます。見かねた大西が自分でラックに参加するケースも再三で、司令塔を失ったバックスラインは迷いが感じられました。その大西が2度にわたり倒れた時はイヤなムードになりました。
私も関西リーグから見てきたファンの端くれですが、予想もしなかったタイトな試合に声も出ませんでした。CTB陣のがんばりで何とか持ちこたえましたが、7−7とイーブンスコアが不思議なくらいの内容でした。

○後半
スタートから明らかに動きが良くなり、いつもの継続ラグビーをしてくれました。開始1分ほどで勝利を確信しました。
順調に2トライ。しかし、明治も死んではいませんでした。滝沢のインターセプトからの独走トライで息を吹き返し、再び膠着状態で迎えた残り15分。このレベルの試合では勝負を分ける時間帯です。
この状態を打破したのが、やはり大西。封印していた
キックを使い大きく陣地を稼ぎます。そこからトライを奪うと、疲れの見え始めていた明治は完全に力つきました。あとはいうまでもなく同志社の独断場で、4トライを重ね、力の違いを見せつけました。

 

○継続ラグビー
専修大から感じるのが、
関西と関東のディフェンスの質の違いです。ファーストタックルで相手を潰す意識が徹底しています。ラックでは、極端なときはタックラー以外はラックに入らずに横一列のラインを形成してきます。チャンネル0、1ゾーンにはFW陣がズラリ。
この網は数的にも同志社アタックラインを上回り、田中正純を持ってしてもこじ開けるのは至難の業でした。ラックの場合は徹底した早い球出しが必要ですが、フォローが遅れるのでこれもできない。このあたりは最大の改善課題です。
しかし、なるべくラックを作らないことが最も大切かもしれません。確実なダウンボールから、それをどんどん拾って攻め続けること、或いはモールにして相手を巻き込んでからのライン攻撃が有効だと思います。もちろん、その前提として接点での個々の強さが大切で、FW主力3人を欠いている今、特にここがポイントだと思います。

○主将・大西将太郎
彼は喜びの表現が素直で好感が持てます。試合中に再三見せた
スタンドへのガッツポーズ。あれで、同志社ファンが圧倒的なスタンドが沸き上がりました。選手たちもあれで、乗れたと思います。
前半、痛んでポスト裏に出されました。グランドの外を役員に囲まれてメイン側に歩き始めたときはもしや交代ではと思いました。メイン正面まで歩いてきたときは、交代を誰もが覚悟したと思います。その刹那、グランドに走り出しました。もちろん、スタンドは割れんばかりの喝采。あとでわかりましたが、脳しんとうで意識がもうろうとしていたようです。本能だけで動いていた様ですが、ファンの心をつかむあの間合いは天性のスター性を感じました。

 

次に向けてのキーマンは川嵜拓生だと思います。
この試合で何が欠けていたのか、次に何が必要なのかスタンドで見ていた彼がすべて知っていると思います。沸き立つ仲間の中で、真剣な表情を崩さなかった彼にそれを感じました。残された少ない期間に「足りないもの」をチームに落とし込んでくれるはずです。

地元・大阪で、これ以上ない最高のパフォーマンスを見せてくれました。最初からぶっちぎりの試合はラグビーではないと思います。本当のラグビーはどちらに転ぶかわからない試合のラスト20分から始まると思っています。本当にいい試合でした。
大観衆の前での試合は選手たちにも良い経験になったことでしょう。この日はスタンドはほとんど同志社サイドの暖かい応援でしたが、国立は違います。しかし、今年の選手たちにはたくましさを感じます。関西の意地を見せて来て、欲しいと思います。

 

関東学院大学 1/2記

テレビ観戦でした。思えば去年のこの日、慶応に破れ、その敗戦を長く引きずっていたように思います。それ以来1年間、来年は優勝しかないと思っていましたが、やはり国立を前にすると、とにかくここをクリアーしてほしい(決勝には出るだけで十分)というのが正直な感想でした。しかし、去年は絶対勝てると思う反面、内心やられるのではという気持ちもありましたが、今年は自分たちの力を出してくれれば勝てるという確信がありました。

今は技術的な課題を云々する気が起こりません。それよりも、大西将太郎という不世出の闘将をもってしてもこの壁を越えることができなかったというショックが大きいです。彼が入学以来、この日を待ち続けたといっても全然過言ではありません。その期待に今まで十二分に応えてくれました。・・・あとはすみません。言葉がでません。

関東学院について少しだけふれておきます。10年程前はまだまだ新興チームで同志社にとって相手ではない印象でしたが、春口イズムの徹底した合理的なトレーニングと大学あげての強化で近年では大学ラグビーのリーディングチームといえるでしょう。春口監督はFWとBKのバランスを重視されており、特に(ラグビーにおける)MFに人材を得たときはしなやかに強いチームが完成しています。今年もその方向性に変わりはなく、相手により変えられる戦術の柔軟性や球際のうまさは相変わらずです。今シーズンは箕内、淵上クラスの大駒は見あたりませんが、それだけに嫌らしいチームといえると思います。法政大戦での健闘を期待します。

 

追記 1/3記 (1/2の追記は全文削除しました。)

「強風と国立の大観衆」 (大西主将)
「ミスがすべて」 (圓井監督)
「継続ラグビーであれほどハンドリングミスすると試合にならない」 (岡技術顧問)
「何かが足りない。それはわかりません。」 (川嵜)
翌日の新聞に載ったコメントです。大西はさらに「何でこうなったのか何とも表現できない」。圓井監督も「何が足りないのかもう一度よう考えます」と、川嵜を含めて今シーズンのチームの方向性を担っていた3人が奇しくも同じことを言っています。

確かにミスが多かったのは事実ですが、ミスをするに至った原因の方が大切だと思います。それは国立の雰囲気なのかもしれませんし、強風と寒さなのかもしれません。グランドにいた選手しかわからないと思います。
一傍観者が関係者が「わからない」と述べられていることをわかるはずもありません。これについて意見を述べることは今は避けたいと思います。しかし、感想としては個々のミスよりも、試合全体を通して
いつものリズムでラグビーをできなかったことが非常に残念です。きつい言い方ですが、彼らの力を出し切っての敗戦なら満足ですが、彼らのいつもの輝きを多くのラグビーファンに映像を通して伝えられなかったことが残念です。もちろん、選手、関係者の皆さんの悔しい思いには及ぶべくもないですが。

 

メールや掲示板で頂いた感想、知人の話などを参考に少しだけ試合内容についてわたしの思いを書き留めさせて頂きます。

<前半>
強風の中、同志社が風上で前半が始まりました。国立での準決勝、本来なら前半はじっくりいって、後半に勝負を懸けたいところですが、前半からガンガンいかねばならない事態になりました。しかし、その自信はあったはずです。あえて風は利用せず自陣からでも積極的に回していきました。しかし、関東学院の横一列に並ぶディフェンスをFWでなかなか破れないため、BKも生きたボールが供給されずにノックオンなどのミスが続発しました。それでも、辻の独走トライで前半はリードして折り返しました。
<後半>
後半にはいると、アゲインスト。不運にも風はさらに強くなったようです。同志社が苦労して陣地を取りにいくのに対して、関東学院は風を利用して同志社の背後にキックを蹴り込み、同志社はほとんどの時間帯で自陣での試合を強いられました。関東学院の状況に応じた柔軟な戦術の真骨頂でしょう。同志社は次第にディフェンスを破られるようにようになり、トライを重ねられていました。
ここで大きかったといわざるを得ないのが、後半2本目のトライ。映像を見た限りでは
オフサイドには見えませんが、判定はオフサイド。同志社の選手が疑問を抱いているうちに、早いリスタートで関東学院・今村にトライされてしまいました。このHPで判定に対して疑問を述べたことはなかったですが、この判定には疑問を抱かずにはいられません。少なくとも、まず同志社側の疑問には明確に答えるべきで、早いリスタートは認めるべきではなかったように思います。あれで、同志社の選手たちの気持ちが切れたとは思いたくありませんが、疲労が倍増したのは確かでしょう。あの直前まではまだまだ元気でした。流れが大きく関東学院に傾いたターニングポイントはレフェリングから生まれました。

@ラインディフェンスへの対応
同志社の攻撃はシーズンを通して一貫性がありました。継続ラグビーです。自陣からでもボールをラインに回して、捕まれば素早いポイント形成から、まずch0、1を付いて、相手のディフェンスが乱れるまでポイントをどんどん移動していきます。これをFWだけでなく、15人一体となって行うのが特徴です。そして、ひとたび相手ディフェンスをこじ開けると、WTBまでボールを回して自陣からでも一気にきめるというパターンです。
この試合は両チームともch0、1の攻撃が7〜8割を占めており、それ以外がch2でした。つまり、FW戦での攻防が勝敗を大きく分けていましたが、関東のディフェンスは専修、明治同様、
ポイントでは密集に入らずにラインに人数を掛けてきました。そして、これも明治と同様ですが、ファーストタックルで仕留められることが多かったです。そのため、相手に人数を消費させることができず、ディフェンスラインになかなか綻びが生じません。時折見られる隙も、フォローが遅れ、早い球出しができずにチャンスにすることができませんでした。来シーズンに向けて、これを乗り越えなくてはいけないでしょう。
より強力なFW
 藤井がもし健在なら、状況は違ったものになったかもしれません。彼の力でラインをこじ開けるよりも、田中正へのマークを減らすことはできたと思います。来シーズンへ向けて、FWを再整備することは必要でしょう。しかし、ポイントは
FWが互角になった場合の対処方法であることを忘れてはいけません。 
・集散をより早く 
 
やはりフォロー、集散、攻守の切り替えが関東学院に比べて遅いという問題がありました。これはあくまで相対的な問題です。関西リーグ後半は随分改善しており、この日も緩慢な動きというわけではありません。しかし、「倒れては起きあがりすぐ走る」という動作を相手より早く行うことで数的優位を作っていくことが継続ラグビーの鍵であることを考えれば、もう一段上の機動性が求められると思います。また、突破力の向上よりも機動力のアップの方が現実的で必要性も高いと思います。これは強いチームと対戦して、
相対的な戦力の分析を行うことでしかわからないものかもしれません。
キック
 レベルの高い試合では相手陣で試合をしないといけないと思います。
自陣を抜け出す方法としてキックは必要であると思います。継続ラグビーをする上でも、キックがあればあれほど横一列のラインをしけなかったかもしれません。
ポイントを作らず継続するラグビー
これは素人にはよくわからないのですが、海外のラグビーではタックルされて倒れながらパスするシーンが多いです。ポイントを作るとどうしてもディフェンスが揃ってしまう。現在のラグビーではFW、BKが区別なくライン形成するので、ディフェンスラインが揃うのが実に速いようです。なるべくポイントを作らずにボールを継続するスキルの向上が必要と思います。もし、ポイントを作るならモールにして相手を巻き込むこと、要はラックにしないことが大切ではと思いました。

A主導権
負ける試合とはそういうものかもしれませんが、主導権を終始、関東学院に取られていたと思います。スクラムでも力でなく駆け引きで互角にもっていかれていたようです。陣地の取り合いの点でも完全に主導権を取られていました。自陣に釘付けで力を発揮できるチームはありません。
この試合の敗因は自分たちの力が出せなったことが大きいとは思いますが、力の出せない状況でも勝てるチャンスのある試合だったと思います。レフェリングを早く見極めて相手の攻撃をオフサイドぎりぎりのディフェンスでしのぎ続けてチャンスをまつ執念のラグビー。言うは易しで、実行は途方のもなく難しいことですが、そんな試合を期待したい気持ちはあります。

Bセットプレー
スクラムではやや優位に思いましたが、圧倒するまでには到っていませんでした。スクラムは力+駆け引き。力で大きくリードするものの駆け引きでは相手の方がうまかったということでしょうか。「スクラムから」の言葉が示すとおり、同志社にとっては大きな意味を持つのがスクラムですが、自陣でのスクラム選択などこだわりすぎないことも必要だと思います。もちろん、そんな同志社が好きなのですが。
風のせいでラインアウトは苦戦しました。今シーズンはラインアウトでも成長していました。しかし、風への対応という応用力が要求される状況では関東学院に圧倒されてしまいました。

C球際の強さ
関東・春口監督が試合後のインタビューで「
ボールの取り合いが勝負。要するにFWとHB団の勝負だった。」と言っておられましたが、球際の弱さを感じました。もちろん、フォローや集散が遅いことも原因ですが、イーブンボールはかなり関東学院に取られていたように思います。そんな中でも副将・堂守の健闘は光りました。

 

印象に残ったプレー
素晴らしいプレー。たくさんありました。目立つプレーやビックプレーも良いですが、地道なプレーが好きです。
○川嵜の活躍
彼は場面場面で大西のサポートをしていました。大西が密集に巻き込まれた時、川嵜が大西の代行もしてくれているように見えました。目立ったのは前半の終盤のキックですが、それ以外にもノーハーフで自らボールをもってポイントを移してHB団を再生するなど、彼のゲーム全体を考えるプレーは光っていました。
○個性の光るFW
今シーズン、FWについてはなかなかふれることはなかったですが、今年のメンバーはすごいです。突破役は力の田中洋、スピードの田中正。常にボールに絡む堂守。フォローの速い林、大瀧。前半の林のトライは彼の勘のいいフォローの賜物です。運動量と突破力を兼ね備えた奥薗。赤鬼さながらの鬼気迫る走りが魅力の斉藤均。
○仕事人CTB
縁の下の力持ちに徹してくれている伊勢、徳野。2人のタックル、カバーディフェンスで何度ピンチを救ってくれたでしょう。地道なサポートプレーも印象に残っています。伊勢の後半40分に見事に決まったドロップでのゴールキックも印象に残りました。諦めない態度にこちらも熱くなりました。必ず、何かやってくれる期待を最後まで持ちました。
○長谷川のスピード
前半の辻のトライは長谷川が演出しました。後半、自陣前のピンチでの相手SHへのチャージ、ルーズボールの働きかけなど、彼のしつこいプレーは勇気をくれました。

 

昨年の慶応戦の感想を読み返しましたが、内容的に共通する部分が多くてびっくりしました。昨年から大きく成長したにもかかわらず、結局同じような問題点が見られたような気がします。大西主将が「学生主体では限界かも」とコメントし、続けて外国人コーチなどの力をかりることさえ示唆したようです。本当に見えない大きな壁を感じます。これをどのように乗り越えてくれるのか、結果は別としてその過程をしかっりと見つめたいと思います。この挑戦は我々にきっと勇気を与えてくれると思います。

 

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