関西リーグ

日付 10/1 10/15 10/22 10/29 11/5 11/18 12/2
相手 摂南大学 大経大学 龍谷大学 立命館大学 大阪体育大学 京都産業大学 近畿大学
得点 77-0

53-0
24-0

107-5

57-0
50-5

75-10

29-10
46- 0

61-0

35-0
26-0

48-19

15-12
33- 7

98-19

41- 5
57-14

72- 0

29- 0
43- 0

場所 花園T 長居U 宝ヶ池 宝ヶ池 長居U 西京極 宝ヶ池
大瀧C 田中B 大瀧C   大瀧C   大瀧C 南B 大瀧C 南B 大瀧C   大瀧C  
堂守C 表A 堂守C   堂守C   堂守C   堂守C   堂守C 表A  堂守C  
尾崎C   尾崎C   尾崎C 杉原B 田中B 表A 田中B 表A 田中B 尾崎C 尾崎C 田中B
林C 堀越B 林C 堀越B 林C   林C   林C   林C   林C  
藤井A   藤井A   藤井A   藤井A 堀越B 藤井A 堀越B 藤井A 堀越B 藤井A 齋藤C
山田C   川嵜C 山田C 川嵜C 山田C 川嵜C   川嵜C 山田C 川嵜C   川嵜C  
奥薗A   奥薗A   奥薗A   奥薗A   奥薗A   奥薗A   奥薗A 山田C
田中C 小川B 田中C 小川B 田中C   田中C 山田C 田中C 堀越B 田中C 山田C 田中C  
見先C 長谷川C 長谷川C 長谷川C 長谷川C 見先C 長谷川C 飛高C 見先C 長谷川C 長谷川C 見先C 長谷川C 見先C
10 大西CK   加藤C 馬場B  加藤C   大西C   大西C 鈴木B  大西C   大西C 今井C
11 辻B

加藤C

辻B

 

辻B

 

辻B

 

辻B

 

辻B

吉田@k

辻B

吉田@k

12 伊勢B 今井C  伊勢B   伊勢B   伊勢B 加藤C、鈴木B 伊勢B   伊勢B 今井C 伊勢B  
13 徳野A   徳野A 今井C 徳野A 菊池C 徳野A   徳野A 菊池C 徳野A 徳野A
14 馬場BK   中矢A   中矢A 馬場Bk 吉田@k   馬場Bk   馬場Bk   馬場Bk  
15 中矢A   大西C   大西Ck   中矢A   中矢A   中矢A   中矢A  

感想

摂南大学

開幕戦が花園第Tグランドの第2試合というのは90年代からの同志社ファンにとってはそれだけで気分がよかったです。来年もここで開幕を迎えさせてください。

前半は一方的にトライを重ねました。大西が何度もラインの裏に抜けると、両ウイングは確実にゴールラインを超えていきました。田中正、山田、尾崎、奥薗と次々にゲインラインを突破しました。堂守、大瀧は豊富な運動量でラックの支配に貢献。徳野、伊勢の鮮やかなパスワークといい、同志社のお披露目会の様相。相手が摂南大ということを差し置いても(失礼!)、見事としかいいようがありません。

しかし、後半は一転します。特に中盤は自陣に釘付け。必死のディフェンスでトライは許さないものの(といより割合余裕を持って防いでいるものの)、なかなか状況を打破できませんでした。膠着状態20分、自陣から回して馬場の独走トライ。あれには救われました。しかし、あの時間帯、何かを想定しての練習だったならともかく、受けに回っていたとしたら、同志社伝統の悪い癖です。・・・これが愛らしくもあるのですが。
スタミナ不足という声もありましたが、そうは思いたくありません。オックスフォード戦でのしつこくもすばらしいディフェンスを見させてもらっていますから。

少し重苦しい文章になりましたが、大勝です。今頃は祝勝会をしているでしょう選手たちとともに、もっと喜びたいと思います。しかし、その前に一つだけ今日感じたことを書かせて下さい。
オックスフォード戦のディフェンスの立て役者・伊勢はこの試合でも大貢献でした。しかし、これが問題です。オックスフォード相手ならともかく、日本の大学相手にしては、
伊勢、大西にかかる負担がいくら何でも大きすぎるように思います。相手フォワードのスピードに乗った突破をあれ程防ぐと、体が痛まないわけはありません。選手権まで2人がもつか心配です。必要なのはFW第3列、とりわけFLのディフェンスです。MF(6、7、8、10、12、13)の役割をもう少し考えて欲しいと感じました。

おもしろいと思ったのはSOに徳野を入れたプレーです。独特の速く短いパスが有効でした。彼のパスはサッカーで言うならダイレクトタッチなんですけど、相手への思いやりがありますね。
あとは徳野がインサイドセンターに入ってから、ラックを挟んで大西と徳野が両サイドに別れてダブルSOを作ったり、去年の大西、川嵜のコンビを彷彿とさせるシーンもありました。
途中出場の表はセンスの良さを感じさせてくれました。ボールに絡む臭覚を持っていそうです。長谷川、今井、小川の控え組の動きも、NO8の奥薗も良かったです。まだまだ、キャパシティーのありそうなチームです。メンバーもどんどん替わっていくかもしれません。今後の進化が楽しみです。

 

大阪経済大

 ハーフ団をそっくり入れ替えて望んだ試合でしたが、SH長谷川、SO加藤ともに大活躍で、本来の2人と比べても全く遜色無かったようです。4人とも4回生なのが勿体ないくらいです。こういう大胆なコンバートはチームがのっている時は決まるのですね。今回のハーフ団の入れ替えはテスト的なものでコンバートでは無いと思いますが、本当のコンバートだとしても理想的なタイミングだと思います。 
(観戦していません。以上、メールで頂いた観戦記と、それをもとにした感想です。)

 

龍谷大

今日はたくさんの観客でした。今年は確実に観客動員数は増えているように思います。しばらく足が遠のいていたご年輩のファンが戻ってこられたではないでしょうか。反対に学生の姿が年々減っているのは少々寂しくはあります。
宝ヶ池に初めて姿を見せてくれた同大ですが、順調に課題を克服しているのが伺える試合でした。

フォワードの集散
何を差し置いてもFWの集散。これがどんどん良くなってきました。ディフェンスでも、オフェンスでも、最初の一歩が早くなっています。密集で消費する人数が減るので、ラインで数的に優位な形を作れていました。これが、FWの消耗を減らす効果もあったと思います。後半も運動量があまり落ちていなかったです。集散が早いのが良い相乗効果を生んでいたようです。

局面でのプレー選択
 「練習通りのきれいなプレーは決まるが、個人の判断力のいるプレー、アドリブの必要なプレーができない。ボールを持った人の考えに周りがレスポンスし切れない。」 
 これがここ数年の同志社で歯痒い思いをしていたところです。しかし、今の同志社はプレイヤー間の連携がうまくいき、一つ先を読んだプレーができているように見えます。ボールをつなぐ技術が向上しているのも大きいです。これが、HBがそっくり変わっても戦力が落ちない原因だと思います。

しかし、これで完璧というのではありません。集散はまだまだ早くなる余地を残していますし、後者にしても単にボールをつないでいるだけでゲインはできない場面も多々ありました。
一方、気になったところもあります。

@タックル
集散がよくなりつつあることが大きいと思いますが、FWのディフェンスはオックスフォード大や摂南大時点よりもはるかに良くなっていると思います。しかし、ディフェンスで気になったのはボールを殺しにいくタックルができていないことです。相手をしっかりと倒すタックルも伊勢が目立つ程度。タックルに関しては大西がSOに入り自ら先頭に立って体を張っているときの方が、勢いがあるように思います。
Aキック
わかっていたとはいえ、キッカー不在はやはり深刻です。ゴール正面以外は入っていません。もう少しキック力があれば、少なくとも10点は上積みされていました。

いうまでもありませんが、個々の強さを生かした突破を軸に攻撃が組み立てられ、これが典型的なトライパターンになっています。特に尾崎、大西は手を付けられないくらいの強さがあります。さらに、この2人に頼らなくても、辻、中矢、奥薗、川嵜と強い選手がたくさん揃っています。ドライビングモールも93年を彷彿とさせるものがあります。
しかし、点差の割には勢いを感じない試合でもありました。ディフェンス面での甘さが原因だと思います。観客にとってこの印象を加速させたのは、攻撃時間はアッという間にトライになるため短く、逆にディフェンスはボールを奪えずに時間を費やすという、大差の試合にも関わらずボールを持っている時間が少ない試合だったことが原因でしょう。「ディフェンスから」というのが今年の原点のはずです。これをもう一度見直してほしい思います。

この試合は龍谷大の健闘も内容的に苦戦を感じる一因でしょう。特に前半は攻めるディフェンスが見られました。反則が少ないのも素晴らしかったです。2度反則をとられたアーリータックルは積極的なディフェンスの表れでしょう。龍谷大の清々しさには魅力を感じました。

 

 

立命館大

 この試合はテレビ観戦です。この日のMBSはラグビーに力を入れてくれているのがわかるようなカメラワーク、編集でした。しかし、テレビはやはり局地しか見えない上に、ダイジェストでした。見えた範囲内で簡単に書きます。

・強化の方向性
FWの集散が良くなっているのが大きいと思うのですが、密集で相手にプレスを掛けてボールを良くコントロールできていました。ライン攻撃のリズムもよくなり、オプションも増えてきたように思います。この日はここ数試合甘さも見られていたディフェンスがかなり改善されていたようです。しかし、この試合で急に良くなった訳ではなく、
一見停滞にも見えた大阪経済大戦、龍谷大戦から続く成長ベクトルの延長線上にあると思います。龍谷大戦でもチーム力のベースが上昇しているのは十分感じられましたし、その芽が意外に早く出たという印象です。ブラウン管からはそのように感じました。

・プレースキック
吉田のキックが良く決まり、試合を盛り上げてくれていました。1年生が入ると2年生が刺激を受けるといいますが、チーム全体が活気づいたように感じました。吉田の課題というディフェンスはあまり見えませんでしたが、アタック面の感の良さは実戦向きのようです。

・スタンドオフ
大西が先陣を切って引っ張ると、FLも含めたMF陣のアタックが格段に良くなるようです。

・ルールへの対応
テレビで放映していた範囲でも、オブストラクションが1度、アクシデンタルオフサイドが2度ありました。ボールを持った選手と相手との間に味方がいると、かなり厳密に取られています。関東のレフェリーのジャッジも研究しながら、特にクロスのパスは気を付ける必要があるかもしれません。

飛高ははじめてみましたが、反応のいいところを再三見せこれからも期待できそうです。田中、表もFWの核になれるだけの素材だと感じました。FWは4回生が多いだけにどんどん新しい選手が出てきて、レギュラーを脅かしてくれるとチーム力をさらに上がると思います。見られなかったのが本当に惜しい試合でした。

 

大阪体育大

この試合もテレビ観戦です。

龍谷大戦でもそうでしたが、この試合も前半は相手チームの闘志あふれるディフェンスに苦しんだ試合でした。大体大は龍谷大よりも個々が力強く、タックルばかりではなく、ワイドな攻撃にキックも絡めて、かなり手強い相手だったと言えると思います。大体大にとってはこの試合が1年で最も大事な試合と言えるわけで、対して同志社はもっと先を見据えての試合です。それを考えると前半の苦戦も仕方ないという気もしました。大体大はこの調子で成長すると選手権で1勝できるのではと感じる試合でした。

 前半で気になったのはSO大西を起点とした攻撃です。大西への相手のプレッシャーがきつく、大西周辺に相手密度が高いため、短いパスでセンターを突っ込ませるサインプレーでなかなかゲインを切れていなかったようです。また、なぜかこの試合では大西と伊勢、徳野との呼吸が悪く、2人が縦に突っ込むスピードを落としてパスを受けるというシーンが何度かありました。オブストラクションを取られても仕方のないようなプレーもありました。ただ、サインプレーのバリエーションが増えてきたのは確かのようです。

 もう1つあげれば、やはりFWの機動力不足です。FWだけではないかもしれません。
繰り返しになりますが、同志社FWはスピードがないという意見がありますが、これは間違っていると思います。スピードは強豪社会人にも劣らないものがあるはずです。足りないのは機動力です。素早い集散や確実なフォローをするための機動力、すなわち反応の早さ、1つ先のプレーを読むカン、骨惜しみのない運動量、そしてスタミナが必要だと思います。これは1人ですべて完璧に備えることは不可能なので、足りないところを8人あるいは15人で補いあう、それが日本一にふさわしいチームだと思います。

しかし、後半に盛り返すところが、今年の成長の証でしょう。相手がシンビンで14人になったのを契機に流れを一気にたぐり寄せていました。ほぼ、イメージ通りの試合だったと思います。

次の試合に注目しようと思います。

 

京都産業大

まさにラグビー日和の穏やかな日でした。昨日まで札幌でしたので、よけいにそう感じたのかもしれません。
最近はラグビー人気が気になるのですが、入場者数はこのカードにしては少ないように感じました。オックスフォード戦よりもやや少なく感じましたが、テレビ中継をしているので、テレビ観戦の方が多いのでしょう。

前半は理想的な展開でした。攻撃では密集でボールを完全にコントロールできていました。密集で消費する人数も相手よりも少なく、サイド突破も確実にゲインを切っていました。SH長谷川の球出しも早く、SO大西にたくさんの選択肢を提供できていました。こうなれば大西の卓越した周りを使う力が生かされます。フラットラインにこだわりすぎないのも良かったと思います。WTB、FBはそれぞれ個性があり、その決定力は素晴らしいです。ディフェンスも組織的として機能しており、反則が少ないことも含めて、かなりの高水準です。

後半はやや大味な試合になりました。開始早々は京産大に見違えたように元気に動き回られると、その早い展開に乗り遅れていました。簡単に抜かれる場面もあり、相手の早いリズムを見てしまう悪い癖が出たようでもあります。点差による気の緩みは仕方ない面もありますが、動く人は動いている訳ですから、全員が機敏な同志社に変身してもらいたいです。

後は思いつくままに述べます。
○今日は伊勢が前半で退場になりました。後半を心配しましたが、交代で入った今井ですが、動きが良く、あたりも強く、ほとんど問題ないようでした。ただし、ディフェンス面では伊勢不在の影響が見られました。大西、徳野との連携という点でも伊勢の存在の大きさを感じました。以前と比べると伊勢の負担は減っていると思いますが、全国大会に向けて彼の小さな体にかかる負荷はやはり心配です。
○この日、印象に残ったのは交代で最後の方に入った堀越の動き。時間が短かったとはいえ、あの機動力、スピードは魅力的です。もう少し長い時間見てみたい選手です。
○このチームはいいキャラクターが揃ったと思います。今しか見られない輝きも放っています。ここまでになったのは働き盛りの2、3年生の躍進も大きいですね。大西を中心に良くまとまったこのチームを1試合でも多く見たいです。
○全国大会という観点で見た場合、この試合のような動きができるかが最大の気がかりです。FWのパワーが互角で、機動力では相手が上回った場合はこの試合の集散でも、後れをとり人数を費やしてゲームをコントロールできなくなる可能性が高いと思います。機動力のよりいっそうの強化といろんな試合展開への対応力をつける必要はあるとは感じました。

最後に友人の言葉をかりて表現すると、「なんとなく関西ローカルな試合」だったように思います。この時期だけに、もっと機敏さ、勝負に対する厳しさを見せてほしいと思いました。
この日は同志社が強いというより、京産大のディフェンスに歯ごたえが無さ過ぎたと思います。大勝よりも取られた3トライの内容の方が問題です。特に今日は京産大主将の平田を止めることが大切だとファンでさえ感じていました。平田は大学屈指の強さのある全国レベルのNO8ですが、彼を止められなかったことは今後の課題としてもらいたいです。

 

近畿大

テレビで見ましたが、良い試合でした。
15人全員がポジションにこだわらずに、自在にプレーしていました。同志社ラグビーの理想型「自由に」に限りなく近い試合に感じました。これができるのも、相手に対する身体能力の優位性、直向きなサポートがあってこそです。1次攻撃、2次攻撃で相手を崩せるからこそ、その先の自由奔放な攻撃が可能となっていると思います。同志社の黄金期のラグビーを語る際にともすれば、忘れられがちな土台が完成を迎えていることが大変うれしいです。地道なプレーをしてくれる選手をしっかりと応援したいと思います。そして、このチームを作り上げた関係者の皆さん、選手の皆さんに、心の中でお礼を言いいます。

とはいえ、これからが勝負です。まだまだアップしないといけない部分もたくさんあると思います。
今年の選手権が去年から続くチーム作りが試される最初の関門です。多くの障害が予想されますが、どんな逆境にも乗り越えていてください。

 

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