プレシーズン

日付 9/13 10/8
相手 オックスフォード大 関東学院大
得点 7-24

0-14
7-10

29- 7

14-0
15-7

場所 西京極 西京極
大瀧C 田中B 大瀧C
堂守C   堂守C  
尾崎C   尾崎C  
林C   林C  
藤井A 堀越B 藤井A 堀越B
山田C 川嵜C 川嵜C
奥薗A 表A 奥薗A 山田C
田中C   田中C  
見先C   見先C 長谷川C 
10 大西C 加藤C 大西C
11 辻B 長谷川C 辻B
12 伊勢B 今井C 伊勢B
13 徳野A   徳野A  
14 馬場B   馬場B  
15 中矢A   中矢A  

感想

オックスフォード大  (9/13記)

去年のケンブリッジからちょうど1年、今年はオックスフォードとの対戦でした。オックスフォードはケンブリッジよりもはるかに強さを感じさせる大学でした。キックをほとんど用いず、正攻法の攻めに徹してきました。個々の強さ、速さを前面に出した波状攻撃は迫力満点でした。慶応を粉砕したのも頷けます。その一方で、清々しさや潔さがあり、好感の持てるチームでした。その点は同志社とどこか似ているかもしれません。

このオックスフォードに対して、同志社ははまったプレーでは十分通用するところを見せましたが、何ともしがたいのが体格差、体力差。国内のチームなら何でもないプレーで、圧力をかけられズルズルと後退するシーンが再三でした。

しかし、ここで持ちこたえたのが今年の同志社の成長の跡でしょう。
@ディフェンス
まずなんといっても、FWのがんばりです。しぶといディフェンスを見せてくれました。
BKでは伊勢。スペースを殺して、相手を追い込むディフェンスは特筆。タックルも強烈でした。大西と同じ赤いリストバンドをしているため、彼がタックルを決めると、「さすが大西」という声があがっていましたが、その何度かは伊勢でした。
Aハンドリング、ピックアップ
ハンドリングがかつてないほどに向上していました。プレッシャーを受けている場面でも、ボールを繋げられる。このスキルの精度が上がっているのは大変大きいと思います。さらに、地面に落ちているボールをスピードにのりながら拾い上げるプレーでも、練習の成果を見せてくれました。
Bセットプレー
ゴール前のスクラムでは押していました。4回生中心で固めた今年のスクラムは強いです。ラインアウトは工夫の跡が見られました。マイボールの確保は問題がありませんでした。しかし、今後はあれほどの凝ったプレーではなく、もっと楽に確保できるパッサーとジャンパーの呼吸が欲しい気もします。
以上3点上げましたが、これ以外にも今年の同志社は違うというプレーが何度も見られました。

しかし、反省すべき点はあります。
@集散
昨年もほとんどの試合で感じましたが、やはり今日も集散の遅さは気になりました。オックスフォードの俊敏さとは比べられない感じです。ディフェンス時はかなり改善されているようですが、問題は攻守の切り替え時と攻撃時です。攻めているのに、フェーズがあがるほど、ディフェンス側より人数が減っていくのでは攻めきれないでしょう。
A集中力
個人的にはこういう抽象的な表現はスポーツの評価としては好きではありません。が、ここというときに気持ちが切れている瞬間があります。これもオックスフォードとは対照的でした。
Bキック
ゴールキックは今後精度が上がると思いますので心配はしていません。しかし、タッチキックのミスは流れを変えてしまうという昨年の教訓を生かして欲しいです。キック処理はこの日はほとんど機会がありませんでした。

試合は最後にだめ押しトライを奪われて終わるという結果でした。しかし、最後の相手トライは大西をはじめ多数の交代の出た直後のどさくさのトライでしたので、7−17が実力を表したスコアでしょう。ということで、力は相手の方が一枚上というのは認めますが、それでも勝つチャンスのある試合だったと思います。ここで、うれしさと少々のもどかしさを感じます。それはこれくらいの実力差の場合、例年だと後半になると精神的に切れて実力差以上に点差を拡げられていたのが、この点差で持ちこたえられた喜びであり、と同時に格上に対して数少ないチャンスを生かし切れないこと(勝負への執念不足?)へのもどかしさです。

今日、光った選手はまず大西、伊勢、林。大西は別格という感じです。彼の運動量、相手と少しずれるポイントで出すパスワークは本当に素晴らしいです。奥薗から受けて左隅に飛び込んだトライもかっこよかったです。伊勢、林、この2人のひたむきなプレーがチームを支えていると思います。特に今日は伊勢をどれだけ誉めても誉めすぎることはないでしょう。

今日は去年の課題がどんどん解消しているのを見せてもらい満足な試合でした。
高度なテクニックを見せてくれた同志社チアーリーダーのみなさんもお疲れさまでした。感動しました。

 

関東学院大  (10/8記)

 大人の試合を見せてもらった気がします。(もちろん、乱闘は除きます。)10年近く同大の試合を見ていますが、このような試合は初めてでした。最大のライバルともくされる関東学院大を相手に終始、主導権をとっていたことが何よりです。細かいことはさておき、これが一番必要なものだと感じていました。このようなしっかりした試合を見せてもらい、昨年からの成長を強く感じました。

○強くスピードもあるFW、しかし集散は
 今年もFWは強く重いが、スピードがないと言われています。しかし、この試合をみると決してそんなことはないと確信しました。関東学院と較べても、スピードでは負けていないと思います。ただし、機動力のあるFWかというと、YESとは言えない面があります。集散の遅さ、攻守の切り替えの遅さ、フォローの不徹底などを感じます。大学レベルではこの程度が限界かと思い始めていましたが、関東学院の俊敏な動きを目のあたりにして、この点はやはり改善すべきだと再認識しました。
 もちろん、現在のラグビーにおいてはFWがラインに残ることも必要で、ボールに殺到するだけがよいとは限りません。ただ、ラインに残るでも、密集で働くでもない「死に体」状態は減らしてもらいたいと思います。

○鉄壁のディフェンスへ
 FW第3列のディフェンスがなかなかよく、前週に比べて大西、伊勢にかかる負担は軽減できていたと思います。(伊勢が退場したのは残念ですが) この点で進歩を感じます。両フランカー、特にブラインド側に入った川嵜が活躍したことが大きいと思います。(川嵜はどこでもこなせる選手ですね。) 関東学院がやや軽量で止めやすかったこともあるとは思いますが。
 しかし、FW全体のディフェンスをみると、「鉄壁」とまではいきません。まだまだ、最初のタックルで仕留められない。抜かれるのはトライを奪われるのに等しいというくらいの意識でやってほしいです。
 BKのディフェンス力は関東学院とかなりのレベル差があるようです。SH、SO、CTBの意志疎通ができているようです。中矢、馬場、辻の3人もワイドに守る意識がよくわかり、最後まで運動量が衰えなかったことが後半も最小限の失点に押さえられた要因でしょう。

 今シーズン、らしくないのがハンドリングの良さです。中矢、田中、川嵜が難しいボールを難なく受けて、切れ込んでいく様は頼もしさを覚えました。ラインアウトも評判よりはうまいと思います。らしかったのがキックですが、これは少しは欠点もあった方がおもしろいと受け止めたいと思います。

 この日一番印象に残ったプレーは関東学院の唯一のトライです。WTB水野が大西を一対一で振り切ってあげたトライは敵ながら、見応えがありました。SHのような身のこなしと加速力。なかなか手強いフィニッシャーになりそうです。

 このような試合を関西リーグでも継続できるかが今後のカギだと思います。最近の同志社は対戦するチームに試合のテンポを合わせてしまうくせがあるように思いますが、2ヶ月あまりの関西リーグで関西独特のスローなテンポが身についてしまうのが怖いです。オーストラリア合宿から現在まで継続できているテンポのいいラグビーを決して忘れないでください。
 この日の関東学院はメンバー的なこともありました。まだまだチーム力を伸ばしてくるでしょう。チーム力を現状維持することは至難の業です。飛躍か凋落しかないと思います。飛躍を期待します。

 

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